突然のミッション… それは、プラネット220のサーチ・アンド・レスキュー。降下した私は、激戦で多くの部下を失いました。しかし、それは恐るべき地獄の、ほんのプレリュードにすぎなかったのです……
私は、ニコラ・ミショー大尉。UNF-SCVギャラント、VFA29・フライトリーダー
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本リポートは、UNFが遭遇した3番目の地球外生物との交戦記録を元にしている。大半がそうであるように、戦闘は予期できる展開と全く予期せぬ出来事、ムーヴ、愚行と賢明さと無知の集合体である。この戦闘もその例に漏れることはなかった。
だが、SCV13ギャラント、VFA-29のパイロット達は最善を尽くした。彼ら一人一人が見せた勇気と献身に、私は最大限の敬意を表する。
今回の執筆に関しては、私と同様の考えを持つ多くの軍関係者の惜しみない協力を得ることが出来た。それにより人物関連の視点は、ほぼ完全に再現が出来た。事実としての記録も、各人がその時に感じた感情まで…戦死した者の感情はある程度の想像が入ったが、心理解析から言ってそう外れたものではない筈だ。
ただし、フィロソマ関連の視点は、入手できたデータを私が解釈し、推察したものだということを予めお断りしておく。
なぜなら、その検証は実質的に不可能だからだ。ギャラントのコンピューターに残されたディレクトリ・2453542の解析、SFBSとの協力による犯罪心理学プロファイリングによってかなりの部分が解明できたと思うが、それでも完全とは言えない。
だが、見つの日にか、フィロソマの真実は解明されるだろう。このリポートは、その通過点の一つと言える。
最後になったが、リポートの発表を許可していただいたSCE関係諸氏に感謝の意を表させて頂きたい。
我々は全体の一部として存続してきた。宇宙の自然は現在あるものを変化させ、新たな展開と発展を呼ぶことを何よりも喜ぶ。なぜなら、現在存在するものは、全て将来それから生じるものの種子なのだ。
(以上、ローランド・クラーク著「コズミック・シード」オックスフォードUP 2086年4月10日刊行より抜粋)
2087年6月22日GMT(グリニッジ標準時)
0812Z
機密
発=UNF-SCVギャラント
宛=第13方面軍司令部
通訳=第13方面軍司令部
科学探査船「S・ホーキング」サーチ・アンド・レスキュー。
1.2087年6月22日0618Z、第13セクター方面にて消息を絶った科学探査船
「S・ホーキング」を発見、星域座標ポイントA037Z214
2.乗員総数96名。
行方不明96名。
船体中央部の外殻破損を確認。船内は真空状態。DCSがアウト、乗員は全員、船外に吸い出されたと推定される。ボイスレコーダー、フライトレコーダーを回収。
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以上、報告書作成
UNFギャラント副長
他章
これまでにわかっていること
・九年前にも同じ実験があった。しかも二箇所
・首謀者は1、他に三人の仲間がいた
・2が参加、少女が死んだ
・4はネバダで同じ実験に参加
・0は1に恨みを晴らすため今回の実験を行った
・14383421
残っている謎
・2がライトに驚いた理由
・四葉のクローバー
・24以外の前回の参加者が居ない理由
・偽0と偽2の正体
・378の扉が最初閉まっていた理由
・378で脱出せずに1368で脱出した理由
・2が棺の中で喋らなかった理由
・ジョンとルーシーの頭と心臓以外に左腕も残っていた理由
・偽0の番号が0ではなく6だった理由
・6の正体と眠り姫との関係
・モールスが読めない
ほぼ間違いない推測
・九年前に死んだ少女は3の妹
・24の絆は本物
…どうまとまるんだこれ???
……うーん、ひとつ妄想してみた。
0は3、目的としては当然1に復讐するためということで今回の実験を画策する。
ついでにその仲間も殺すために偽0と偽2に仕立て上げた。あとたぶん9も。
で、ついでにもうひとつ目的があった。
どいう経過かは知らないが、何故か吊り橋効果によって6の目線を自分に向けるためであった。
ところがたまたま5が居たためにアウトオブ眼中となってしまい「俺の負けだ」
これなら1368で脱出した理由も明らかだ。
うむ、素晴らしい推理だ。
問題点としては、3がそんな大金持ちそうには見えないし1を攫うのも無理そう。
あと最後に6が消えたとか眠り姫はどうなったとか。
全然駄目じゃないかとかいう批判は受け付けない。