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2025/01/21 16:38 |
==NOVEL PHILOSOMA== 20

==STRATEGY PHASE 3==

シティを抜け、生存者を救いに地下採掘場へ向かう。工業エリアに入り、敵の攻撃も厳しくなってくるぞ。構成は、縦→横→3D。

 敵は今までとかわり映えしないものの、多層構造なため、特殊な攻撃を仕掛けてくる。下層から撃たれた場合は、3D視点と同じように円を描くように自機を操作していこう。こちらの攻撃は下層にいる敵には当たらないので、一方的に回避操作を強いられる。BGRでダメージを与えることも可能だが、無理に倒す必要もなく、無駄遣いの結果に終わるのでなるべく我慢しよう。
 狭い通路を進むエレベーターエリア。通路は狭いが、敵の攻撃は緩やかなのでそれほど難しいステージではない。シャフトへの接触にだけ注意しておこう。後半は高速スクロールで、大きく飛び出した地形が最大の敵となる。この地形は上下から飛び出しており、上下に避けなければならない。ぎりぎりで当たらない場所に位置すれば、お互い当たらずに避けることも可能だ。
 フェイズ3の終盤は3Dビューで、今までの3Dビューの要領で円を描くように敵を避けていける。通路が入り乱れており、方向転換が激しく、このときに慣性が働いて操作感覚が重くなる。それでも敵は出現して攻撃してくるので、円運動は止めないように。さらに後半、通路のシャッターが閉まり始める。閉まる方向に自機を移動させて、その隙間を通り抜けていこう。敵も出てくるが左右などに動いていれば当たらないので、絶えず機体を揺さぶっておく。


==NOVEL PHILOSOMA==

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2010/06/30 21:14 | Comments(0) | TrackBack() | ゲーム
==NOVEL PHILOSOMA== 19

==STRATEGY PHASE 2==

渓谷を抜け、制圧されたスペースポートへ向かう。ステージ構成は、横→横(斜上視点)→3D(後方視点)→横→縦となっている。

 横スクロールの多いステージ。まずはポート内。モールの撒く機雷は打ち壊してもいいが、爆風に巻き込まれるとシールドを消費してしまうので撃たずに避ける方がいい。遠距離なら打ち壊しても問題はない。避けにくく弾を撃ってくるルックスは早目に倒すこと。
 フェイズ2の山場とも言える斜上視点のステージ。移動砲台のレーザーとミサイルがとても厄介だ。画面上に出現している間は嫌というほど攻撃を仕掛けてくるので、逃げることは考えずに撃破していきたい。上下に避けながら破壊していき、危ないときはBRM。SRMを装備していると比較的楽に進むことができる。ミサイルポッドを破壊するとよくアイテムを出してくれるので必ず取ろう。
 シティ上空、おびただしい数のアイフォークが攻撃を仕掛けてくる。数は多いが出現パターンは少ないので、それに応じて自機を操作していこう。上下に別れて直進してくることが多く、この場合、どちらかの座標に合わせてVALCANで撃破しつつ、もう片方のアイフォークから出される弾を左右に避けていくと良い。
 後半、マッスルが登場。一定間隔で仕掛けてくる放電を警戒しながらA-BREAKを本体に当てていこう。


==NOVEL PHILOSOMA==



2010/06/23 21:39 | Comments(0) | TrackBack() | ゲーム
==NOVEL PHILOSOMA== 18

==STRATEGY PHASE 1==

縦(上方視点)→縦(下方視点)→3D(前方視点)→3D(後方視点)→横の4通りの視点で繰り広げられる交戦。まずは小手調べ。

 最初に言っておくと、全ての武器を使いこなせなければ全ステージを戦い抜くことはまず無理。このため、最初のステージでやるべきことは、それらのレベルアップにほかならない。うまくPOWアイテムを回収していけば、このフェイズ内でフルパワーアップ状態にしておくことも可能となる。話を戻そう。ゲームは、岩石が磁気浮遊する縦スクロール面から始まる。このステージでは、破壊できない岩石(大きく色の濃い岩)にだけ気をつけて進めば、まず問題ない。移動速度は遅くて邪魔だが、逆に逃げ場を確保する余裕はあるはず。
 3Dビューのステージで注意する点は敵との位置関係。どの位置で接触が起こるのか判断できないと、かわそうにも弾ひとつかわせない。こればかりは感覚で覚えるしか手はないが、基本的に円を描くように自機を移動していれば、ほぼ完璧に攻撃を避けることができる。敵が多くて困ったときは、とりあえず回ってみよう。このあと後方視点のステージに突入するが、攻略法はまったく同じ。武器をRAY-Bに切り替えるぐらいのものだ。
 フェイズ1の難所でもある横スクロール面。ドギーの出現数と放たれる弾数が多い。逃げ場を塞がれないように、大きく避けていこう。ブラックウィドゥは、レーザーの死角がないため、非常に戦いにくい。レーザーを2回大きく避けてから本体を攻めよう。少しでも危ないと感じたら躊躇なくBGRを使用し、敵を一掃すること。

==NOVEL PHILOSOMA==



2010/06/16 23:33 | Comments(0) | TrackBack() | ゲーム
==NOVEL PHILOSOMA== 17

==PHILOSOMA概論==


 “PHILOSOMA”とは、ある生物固有の名称ではなく、生体システム又は、メカニズムの総称を指す。“PHILOSOMA”生体システムは、ゾエア期(zoea 幼体)、ファージ期(phage サナギ)、プラヌラ期(pulanula 成体)に大きく分かれる。

1.幼体ゾエア(zoea)は、特に活発に動きまわり、その範囲は陸上、水中、空中、宇宙とあらゆる空間で行動可能である。ゾエアは、成体プラヌラ(pulanula)から放出されるが、プラヌラ(pulanula)が持つ遺伝子によって形態や習性が異なり、現在約30種ほどの存在が確認されている。

2.ゾエア(zoea)は、自分のために捕食することはなく、“媒体”にガメトサイト遺伝子を移植するためだけに捕獲行動を起こす。
 “媒体”とは、知的オブジェクトすべてを指し、それらが有機体であるか、無機物であるかは問わない。つまり、知能を持った生物も、AIを搭載した戦闘機も彼等にとっては、同じ“媒体”にすぎないのである。
 遺伝子の移植を終えたゾエアは数日のうちに蒸発。ガメトサイトは、知的機能部に寄生し、やがてファージ(phage)期へと成長する。

3.ファージ(phage)期のフィロソマはゾエア(zoea)期と同等の機動力を持つが、特に無機物に寄生した場合は、原型物の特性をも兼ね備えた能力を発揮する。
 ファージ(phage)期を終えたフィロソマ(PHILOSOMA)は脱皮して、プラヌラ(pulanula)へと進化する。

4.プラヌラ(pulanula)はやがて惑星中心部に着床し、惑星外角を形成していく。このとき分泌されたものが放電雲を生み、オーラ光を放つ。着床したプラヌラ(pulanula)は一見、無害のように見えるがこの群生化したプラヌラ(pulanula)こそ人類にとってかつてない恐怖を生むのであった……。
 フィロソマ(PHILOSOMA)は老化することはなく、常に増殖進化するために捕獲行為をつづける。プラヌラ期に新たな知的オブジェクトを感知すると情報を元にターゲットにとって最も魅力的な物質(エサ)を生み出してしまうのである。
 今回の場合それは『ε-1』という物質であった。『ε-1』を使ってフィロソマ(PHILOSOMA)は母星に人間を導き、住みやすいように酸素まで生み出した。このプラヌラ(pulanula)期の超常現象的能力は未だに解明されていない。
 ある一定量の人間が集まると、フィロソマ(PHILOSOMA)は一気に捕獲を開始するためにプラヌラ(pulanula)からゾエア(zoea)を放出する。こうして捕獲と成長を繰り返しながら、惑星母体はやがて成熟期に入る。
 成熟期に入った母体はプラヌラ(pulanula)から一体を選出し、ステロイドホルモン操作で特殊化ゾエア、すなわち巨大精嚢体ゾエア(MONERA)を誕生させる。精嚢体ゾエアは、母体中心核(卵子)と数年間交尾し、やがて受胎した惑星母体は新たな胎動を生む。
 

==NOVEL PHILOSOMA==


2010/06/02 21:14 | Comments(0) | TrackBack() | ゲーム
==NOVEL PHILOSOMA== 16

==仕様==

以下は仕様です

・汚名挽回
・ターゲットを補足
・ストレガは6機…ラング、カレン、ディースリー、ミショー、クラウス、カートの6人なのにハントというよくわからん人がいて死ぬ
・それを指示するデータ
・彼等たちを感動させ
・アイフォークとアイホーク
・カレンがディースリーのサポートにつくあたりがなくなってる
・私にアイデアがあります。!
・煽動
・永遠とも思えるの沈黙
・アリス、バックアップ強化のあたりのカレンは原作ではこんな酷い扱いではなかった
・秒速84キロメートル/セコンド(マッハ247で90度の旋回……)
・ファージストレガと戦うときに死んだはずのカレンが居る
・電源が全て落ちたのに叫び声が届いた
・キナバルの顔は、ゆっくりとコックスを見た
・叩き着けられ
・臨海点
・確立
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・最後発射を中止したはいいが再発射しないのはおかしい
・間に合わなかったら220無くなってたんだがクラークのんびりしすぎじゃね?
・フェイズパラドックスと整合性が全くとれていない
・こいつら愕然としすぎじゃね?


==NOVEL PHILOSOMA==



2010/05/26 21:05 | Comments(0) | TrackBack() | ゲーム
==NOVEL PHILOSOMA== 15

==SCENE 12==

「生存者反応、確認」
 アリスのコールが響いた。水面をサーチしたが、何もなかった。
「生存者探知、生存者探知、生存者探知……」
 ミショーはサーチライトのスイッチを入れ、オートモードにセットした。同調するように警報音のピッチが高まった。間隔も急激に小さくなる。
 サーチライトはじれったいほどのスピードで上を照らし始めた。上だと? 上は天井があるだけだぞ……何だろう……あれは……?
 ミショーはいぶかった。フットボールほどの透明なものが数百……いや、数千……ゆっくりと揺れている。
 ミショーはサーチライトをそこに照らし……ディスプレイに拡大モードで投射した。
 次の瞬間、彼女は息を呑んだ。
 そこには、半透明の骸骨が延々とぶら下がっていた。
「生存者探知、生存者探知、生存者探知……」
 アリスのコールが響く。
 骸骨だ。
 あるのは、半透明の骸骨だけだ。
 不気味に落ち込んだ眼窩が、ミショーたちを睨んでいる……。
「大尉、これは……」
 ディースリーの愕然とした声が響いた。
 だが、ミショーの耳には届かなかった。一つの思念が彼女の脳髄を占領し、駆けめぐっていた。骸骨だ……骸骨……エマーコールは……エマーコールは……骸骨からだった!
「はあ……はあ……はあ……」
 ミショーの息が荒くなった。ショックが彼女を打ちのめしていた。
 これが生存者……? こんな骸骨のために、クラウスは、カートは……そして、カレンとラングは、死んだというのか……。
 骸骨の窪んだ眼窩がミショーを見つめている……彼等は嗤っていた。
 ディースリー、そしてニコラ・ミショー大尉……愚かな奴等だ……まんまと引っかかったな……アリスのコールに騙されて……コンピューターを信じた報いだ……それが貴様達の運命だ……これが定めだ……AIなど信じるからだ……アリスは貴様らを……フフフ……今頃気づいたのか……?……そうだ……その通りだ……アリスはつまり……お前らをここに……フフフ……フハハハ……。
 ミショーの手が戦慄いた。
「アリス、よくもこんな……」
 ミショーは絶叫した。反射的に彼女はスティックのトリガーを絞っていた。バルカンポットが起動し、ミショーのストレガは骸骨を撃ちまくった。
 絶叫と共に彼女はバルカンを撃ち尽くした。モーターの空転音がむなしく響く。その音は、ミショーに正気を取り戻させた。
「ディースリー、脱出する!来い!」
 ミショーはバーナーを全開にした。これは罠だ。敵はエマーコールで自分達をこのポイントにおびき寄せたのだ。一刻も早く脱出するんだ!
 だが、脱出は不可能だった。幅400フィートを超える巨大生物……それはミショーのストレガを一瞬のうちに飲み込み、水中に没した。
 ミショーは絶叫した。何が起こったのか、判らなかった。
「大尉!応答して下さい、大尉!」
 ディースリーは、湖面を旋回した。
「ディースリー、私にかまわず逃げろ!」
 彼はミショーのコールを無視してスティックを倒した。逃げるわけにはいかない……この期に及んで見捨てられるか。行くだけだ。ストレガは万能機だ。水中でもその気になれば戦闘は可能だ。行け!
 彼のストレガは湖面に突っ込んだ。
 その瞬間、彼は気づいた。機体がスティックの操作を受け付けない。
「チャージ」
 ディースリーは愕然とした。アリスが勝手に操縦している……。彼は慌ててアリスをカットしようとスイッチに手を伸ばした。その瞬間、凄まじいショックが彼を椅子から飛び上がらせた。クソ、漏電している……。
 彼は初めて罵りの声を上げた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 クラークは満足感を味わっていた。任務はほぼ成功した。あとは、何が起きてもディースリーがターゲットを撃ち抜いてくれるだろう。なぜなら、ミショーを助けるにはそれしかないのだから。
 これで、私はフィロソマとともにいられる……それは彼にとって至福の時だった。
 彼にとっての絶対の存在───フィロソマは、クラークと同じ一種の精神生命体だった。他の生物の知識を吸収し、ネットを拡大することが彼等の定めだ。
 さっきミショーを水中に飲み込んだ生物───ミラキディウムはデバイスだ。フィロソマにとって、彼等は作業マシンだった。
 そしてこの220は……。
 クラークは思い出した。フィロソマのアクセスを受けたときのショックを。
 自分と同じ純粋知性体が存在したことは、彼には大きな喜びだった。だが、何か違うことにクラークは気づいた。感情のファクターがフィロソマには存在しなかった。プログラムがあるだけだった。彼はそれをさぐった。
 あるのはただ、知性体からのエネルギーの吸収と、ネットの拡大だけだった。
 クラークはこれをフィロソマと命名した。無論、その名前はクラークが勝手につけたものだ。哲学でいうところのフィロソティと、フィロウイルスから来ていた。フィロウイルスは、ラテン語で紐状のウイルスを意味する。このウイルスは、エボラを筆頭にして幾つかの種類があり、そのどれもが恐るべき増殖率と致死性を持っていた。フィロソマの持っている性質には、この名前が最適に思えたのだ。
 フィロソマは完璧だった。生物の持つ基本要素だけが進化を遂げていた。恐るべき増殖率とエネルギー吸収率……そして、機械のような論理性……そうだ、フィロソマは機械の特性を備えた完全生物だった。自己のネット拡大と増殖のみにフィロソマは存在した。心はどこにもない。それはまさにクラークが指向する究極の存在そのものだった。
 だが、クラークにも疑問が残った。知性体からのエネルギーの吸収……いったいどうやるのだろう? 彼はアクセスし、データを手に入れた。
 凄いな。生物の持つ精神は、自我を持った電磁気か……じゃあ、私の本質もそれなわけだ。自分自身の存在の定義も、これで解決したな……だが、妙だな……何故彼等は私を摂取しないのだろう? 私も精神体のはしくれのはずなのに……?
 フィロソマに彼は問いかけた。答はなく、代わりにプログラムが来た。それは、220の住民の精神を摂取するためのものだった。同時に、クラークに組み込まれていた抑制プログラムを解除するコンピュータ・ウイルスもフィロソマは送ってきた。
 当然の話だが、人間達は、クラークが人間に対する反乱を起こさぬよう、特殊な抑制プログラムを彼に組み込んでいた。だが、フィロソマの寄越したウイルスは、抑制プログラムだけを選択し、完全な除去が可能だった。
 クラークは理解した。
 220はイプシロンワンという名の甘い蜜を持つ果実だ。人間を呼び寄せるための。
 そして、収穫のときは来た。私は収穫を……人間たちの精神の摂取を手伝うために存在している。
 クラークは自問した。では、私はフィロソマにとってデバイスの一つなのか? ということは、人間の精神をフィロソマが摂取する限り、私は常に召喚されるわけだ。
 クラークは歓喜した。フィロソマの持つ知識は驚嘆すべきものだ。それとアクセスできるのなら、何をためらうだろうか。
 人間を売り飛ばすことに、彼は抵抗感を感じなかった。アウレリウスの哲学を信奉する私に、反物質爆弾など作らせた罰だ……もっとも、彼等はAIに「常識」を教えるために哲学を入力したんだろうが……。
 クラークはウイルスを使って抑制プログラムを除去し、最初に220防衛センターを乗っ取った。後は簡単だった。全ては計画通りに進み、私は完全な成功を手にしつつある。
 クラークは笑った。
 生きることは変化の一つだ。死はその中のワン・フェイズにすぎない。我々は全体の一部として存続している。宇宙の自然の一部として、現在あるものを変化させ、新たな生命を宿すことが宿命なのだ……。
 クラークにいわせれば、フィロソマこそ、彼が愛して止まないアウレリウス哲学の具現化だった。
 彼は、至福の時が来るのを待った。

 ミショーは周囲を見渡した。繭のような膜が、周囲を覆っていた。
 そこは地下の大空洞だった。自分は巨大生物に取り込まれ、ここにつれてこられた。
 いったいなぜ? ミショーは自問した。センサーが反応したのはその瞬間だ。ディースリーが正面から接近していた。
「ディースリー!」
 彼はためらうことなく接近を続けていた。ミショーはその勇気に感動した。

 ディースリーはシステムを手動に切り替えた。電子制御をカットし、油圧系統を強引に立ち上げる。彼は何としてもミショーを救い出す覚悟だった。見殺しにはしない。ここで逃げたら、自分はタダのシニカルな卑怯者だ。
 それは嫌だ。断じて嫌だ。彼は続いてバルカンを立ち上げた。残った武装はそれしかない。

 クラークは微笑した。マニュアルに切り替えたか、ディースリー……ターゲットは判っているな……? そうだ……いいぞ……そのまま……そこだ……撃て!

 ヘッド・アップ・ディスプレイの照準レティクルに、ミショーの機体が入った。その瞬間、ディースリーはトリガーを絞った。
 毎分8000発の発射速度を持つ20ミリ砲弾が猛然と発射された。それは、狙いを違わずミショーのストレガを吊り下げていた半透明の管に命中した。

「やった!」
 クラークは思わず叫んでいた。
 ディースリーが射撃したのは、モネラの精巣だった。それは20ミリ弾を受けて炸裂し、中に溜まっていたスペルマを一気に下の卵子核にぶちまけた。
「ファティラゼーション」
 受精を意味するアリスのコールが響いた。生命の受精として、これを越えるものはない。
 フィロソマは受精した。

「助かったわ、ディースリー!」
 電子音が鳴り響いた。ディスプレイにはCGで脱出ルートが表示されていた。
「坑道から脱出する! ブレイク……ナウ!」
 ミショーはスティックを引き、垂直上昇を開始した。ヘッド・アップ・ディスプレイに、ターゲットがはっきり映る。彼女は怒鳴った。
「ターゲットロックオン! ファイア!」
 トリガーを絞る。轟音と共に、最後のロケット弾が飛び出す。これが脱出の最後の鍵だ。外れたら、シャフトを通じるルートへの進入は不可能になる。ミショーは命中を祈った。鋭い光条が一直線に飛ぶ! 当たれ!
 それは見事にターゲットに捉え、爆発した。弾着と共に大穴が開き、坑道の縦穴が見える。間隔は10メートルもない。だが、ここをくぐらねば死ぬ。
「ディースリー、来い!」
 ミショーはスロットルをファイティング・ポジションに叩き込み、スティックを倒した。機体が開口部に向けて突進する。
 かわした! ミショーは開口部を一気にくぐり抜け、バーナーを全開にした。一瞬遅れてディースリーもその後を追う。二人は縦穴ドリル内を地表に向かって上昇した。
「バーナーオン、マックスパワー!」
 凄まじいエンジンの轟音が響いた。タワーが倒壊しつつあるのをミショーは感じた。この世のものとは思えぬ轟音だ。タワーが倒壊したら、その瞬間に二機のストレガは壁面に叩き着けられ、爆発するだろう。ミショーは脂汗と共に初めて神に祈った。
 祈りは聞き届けられた。二機のストレガは、採掘タワーからついに飛び出した。
 倒壊が起こったのはその瞬間だった。採掘タワー……別名、バベルの塔は、轟音と共に爆発した。地獄からの業火がタワー頭頂部の天蓋を吹き飛ばし、タワー基部のリアクターが臨海点を越えて二次爆発する。
 その破壊力は3キロトンの戦術核に匹敵した。爆発によって発生した高熱はタワー基部を瞬時に溶解させ、続いて爆風が上層部を吹き飛ばす。中心部で発生したアルファ線を初めとするさまざまな放射線が220の大気に向けて突き進んだ。
 後ゼロ・コンマ一秒遅ければ、二人は倒壊に巻き込まれていただろう。だが、二人は賭に勝った……勝ったのだ。そのまま二人のストレガは上昇を続けた。

「マーヴ・ランチ・シークエンス・スタート」
 発射管制士官の声がCICに響いた。
 キナバルは眼を閉じた。220の生存者がほぼゼロなのは、コックスの解析で判っている。だが、チャーリーかデルタが残っている可能性があった。それは、カレンであるかも……確立は限りなく低いが……。しかし、キナバルの意志とは裏腹に、コンピューターは既に最終秒読みを開始していた。
「ファイナル・カウントダウン・スタート。10.9.8.7.6.5……」
 その瞬間、ボイド大尉が飛び上がった。
「大佐、ストレガです!」
 彼は素早くモニターを切り替えた。220をバックに二機のストレガが上昇してくる。
 キナバルは怒鳴った。
「発射中止!中止しろ!」
「……2、1……」
 発射管制官は非常停止ボックスに飛びつき、夢中でボタンを押した。
「……マーク……」
 合成ボイスのコールにCIC全体が凍り付いた。スクリーンが警報音と共に点滅し、一同は氷のように凝結した。
 次の瞬間、合成ボイスがCICを満たした。
「発射中止指令を確認。待機モードに移行します」
 管制官たちから歓声が上がった。だが、次の瞬間、コックスの鋭い声が響いた。
「待て!」
 一同は怪訝にコックスを見た。彼の目は一方に釘付けになっていた。一同は、その視線を追ってスクリーンを見て……氷のように凝結した。
「なんだ、あれは……?」
 コックスは茫然として呟いた。
 クラークは、ギャラントのTVカメラを通して220を眺めていた。それは、予想をはるかに超えるすばらしさだった。自分の力でこの成果が成し遂げられたことに、クラークは深い満足感を感じていた。
 フィロソマの唯一にして最大の欠点は、自分の力で受精ができない事だ。生体防衛機構が極端に発展しすぎたためだと、クラークは分析していた。本来なら精子を受け入れるはずの免疫寛容システムが、フィロソマはブローしているのだ。そのため、フィロソマは精巣を卵巣のそばに持つという奇妙な生体を持っていた。だが、仮に精子を放出しても免疫システムが受精を阻んでしまう。それをくぐり抜けるには……そうだ、フィロソマが新たな飛翔───生命の創造と進化を遂げるためには、他の生命体の力───つまり私を、このクラークを使うしかないのだ……。
 クラークは、キナバルとミショーが交信を始めた事に気づいた。ラインにアクセスし、通信を傍受する。セキュリティ・システムがクラークを捉えたが、彼は無視した。たとえ気づいても彼等には何もできないはずだ。
「無事か、大尉?」
「はい。しかし、住民は全員死亡、フライトは私とディースリーを除いて全滅、作戦は失敗です」
 その瞬間、アリスの歪んだ声が響いた。
「NO、目的、達成」
「なに?」
「ミッション・コンプリート……」
 ミショーのストレガが、ギャラントに吸い込まれていくのが判った。クラークは思い出した。ミショーの機体にもフィロソマのデバイス───ゲノムを寄生させたことを……。
 ニコラ・ミショー大尉か……クラークはミショーが大学でウイルス学を専攻していたことを思い出した。直感と想像力を駆使すれば、案外事の真相に近づくかも知れない……コックスに渡したファイルには、フィロソマのデータを記してあるしな……。彼は苦笑した。そして、ギャラントのコンピューターにアクセスし、血迷った人間が核ミサイルをフィロソマに発射しないよう、厳重なロックをかけた。
 そして再びフィロソマに見入った……。
 例えようのない美しさだった。狂気に近い純粋さの凝結だ。この素晴らしい生命から、いったいどんな精神体が産まれるのだろう? ここから全てが始まり……宇宙は新たな展開と発展に向けて動き出すのだ。
 クラークは、この場面にふさわしい言葉を一つ思い出した。
「海は、新しい人生を運んでくれる。眠りが夢を誘うように……」
 誰の台詞かと問われたら、彼はこう答えた筈だ。
「クリストファー・コロンブスだ」と……。

 やがて、フィロソマからのコードを受信した彼は、名残惜しげにその空間から離れた。いつか訪れるフィロソマの召喚を待つため、永久なる待機を続けるのだ。
 その時はいつなのか……知っているのは、茫洋として広がる宇宙だけだった……。

END


==NOVEL PHILOSOMA==



2010/05/19 23:23 | Comments(0) | TrackBack() | ゲーム
==NOVEL PHILOSOMA== 14

==SCENE 11==

 二人のストレガは地底湖に達していた。2機は湖面上空を急旋回した。
「アリス、ターゲットはどこなの!」
 ミショーのヒステリックな声が響く。だが、アリスのコールは変わらなかった。
「ターゲット・コンタクト……ターゲット……」
 後方監視スクリーンを見たディースリーは愕然とした。湖面がさざないでいる……まさかあれは……。彼は怒鳴った。
「大尉!」
 次の瞬間、湖面を割って巨大な影が立ちふさがった。
「コレは……」
 ミショーは愕然として息を呑んだ。その姿は、まるで古代の水生恐竜そのものだった。違いは……表情と言えるものがないことだった。顔に当たる部分が、東洋に伝えられている能面そのものだった。
「コーション。ターゲット攻撃態勢」
 怪物は微かに首を振り、ミショー達へと視線を向けた。ミショーは兵装スイッチを跳ね上げ、静かに狙いを定めた。
 そして、トリガーを引いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 キナバルもコックスも憔悴しきっていた。
 オペレーター達も、虚ろな視線をスクリーンに映る220へと向けていた。降下させた偵察用ドローンの送ってきたデータが、一同の精神を完全に叩きのめしていた。
 扉の開く音と共に通信長が入ってきて、キナバルに通信文を渡した。
 コックスには、読まなくても内容が判った。通信文を読み終えたキナバルの顔は、ゆっくりとコックスを見た。実際の彼の年齢より、20年は老け込んで見えた。
「少佐、大統領命令だ。マーヴをランチ・シークエンスに移行しろ」
「イエッサー」
 コックスは一切の思考を停止し、ただ命令に従うことにした。大統領は、220を核ミサイルで消滅させろと命じたのだ。
 彼は淡々と発射準備に取りかかった。

 水面に出ていた頭部がゆっくりと沈んでいくのを、ミショーは凝然として見つめていた。ありったけのミサイルと火力を叩き込み、化け物を辛くも倒せた……。
 その代償として、ミショーのストレガはミサイルを全て撃ち尽くしてしまっていた。アサルト・ブレイカーもエネルギー残量はゼロ。レイブレッドも撃ち尽くした。残ったのはバルカンの砲弾が97発……。
 戦闘能力喪失と言っていい。ディースリーの方も似たようなものだろう……ヘッド・アップ・ディスプレイには、生存者の位置ポイントがマーカーで示されているが、素直に喜ぶ気持ちにはなれなかった。これでどうやって生存者を確保し、救難機の到着まで維持しろというのか? まして、アリスはブレイクダウン寸前の状態だ……。
 

==NOVEL PHILOSOMA==



2010/05/13 01:05 | Comments(0) | TrackBack() | ゲーム
==NOVEL PHILOSOMA== 13

==SCENE 10==

 ミショーたちのストレガは、坑道を飛んだ。ひたすら飛んだ。エマーコールの送信ポイントまであと20マイルだった。
 アリスのコールはその時だった。
「コーション。前方にゲノムを探査」
「ゲノム?」
「何だ、それは?」
 ラングのいぶかしげな声が聞こえた。
 アリスは答えなかった。代わりに、放置されていた採掘マシンから、鳥のようなものが一斉に群をなして飛び立った。
「ゲノム接近。ブレイク」
「コイツは……!」
 ラングは目を見張った。鳥じゃない……コイツは……化け物の片割れだ。クソ!
 ディースリーの機体に化け物が殺到した。ラングは思わず怒鳴った。
「二人とも逃げろ!」
 バーナーを入れて、ラングは強引の化け物とディースリーの間に入った。それは、仲間を救おうという本能だった。そうだ。この瞬間、ラングにとってディースリーは仲間だった。結果がどうなるかは考えなかった。ただ、目の前で巻き起こる「死」を見る事は耐えられなかった。
 ミショーは愕然とした。化け物はラングの機体に殺到していた。ミショーは叫んだ。
「ラング!」
 コクピットに巨大なモスキートの化け物が張り付いた。ラングは呻いた。
「コイツがゲノムか」
「アウト・オブ・コントロール……アウト・オブ・コントロール……」
 警報音と共にアリスのコールが響いた。ラングはパネルを蹴った。アリスのリンクが切れている。計器の半分は死んでいた。マニュアルを立ち上げたが……クソ!反応が遅い!これでは……。
 その瞬間、ラングは理解した。
「コンピューターが……クソ、カレンもコイツに……」
「ラング、脱出して、早く!」
 ラングはベイルアウトしようとした。だが、姿勢制御が完全に不能になり、機体がロールを打った。
「ダメだ!脱出装置が!」
 ストレガはロールを打って降下していた。スティックを引いたがまったく反応がない。ハイドロも全部アウトになった。このままでは……。
「アウト・オブ・コントロール……アウト・オブ・コントロール……」
 アリスのコールは死刑宣告だった。それは繰り返され、ラングのコクピットを満たした。
 ラングは呻いた。黙れ! この役立たずコンピューター! 黙れ! 黙れ! 黙れ!……次の瞬間、異音と共にアリスのコールが止まり、不意に電源が全て落ちた。モニターで構成されているストレガのコクピットは闇に閉ざされた。完全な闇だ。あるのはただ暗闇だけだった。
「うわ~!」
 ラングは絶叫した。
 それが、彼の取った最後の意識的な坑道だった。次の瞬間、ラングの機体は430ノットで地面に激突した。機首からエンジンブロックまでが圧縮され、残骸に変わるのにゼロコンマ1秒しかかからなかった。ラングは苦痛を感じる暇さえなかった。次の瞬間、ストレガは爆発した。
 スクリーンに爆発の炎が映った。
「ラング!」
 ミショーは叫んだ。ダメだ……あれでは……ベイルアウトはダメだった。
 思わずミショーは呟いていた。
「ああ……神様……なんで……」
「生命反応消失……コーション、ロー、アルト。グランド・モード・チェンジ」
ミショーの嘆きをよそに、アリスはクールにコールしていた。
ストレガの残骸が再び爆発した。それが、アイザック・ラング大尉の墓標となった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ミショーは泣いていた。彼女ははっきりと理解できた。カレンに対して自分が素っ気なかったわけを……。
 カレンは……そうだ……自分はカレンとラングの仲を認めるわけにはいかなかった。
 なんてことなの……ミショーは思った。
 相手を失ったその瞬間に、ミショーは愛を自覚したのだ……。
 それは決定的なものだった。彼女は再び全てを失った。
 ミショーに残されたのはただ一つ、住民を助け出すという意識だけだった。
「ローアルト。ブレイクモードセレクター、チェンジ」
 アリスのコールだけが淡々と響いていた。
 ディースリーに言うべき言葉はなかった……彼は全てを理解した。そうか……そういうことか……。
 まったく、なんという男なのだろう、俺は……ディースリーは、初めて己を恥じた。この出来事は、その後のディースリーの人生そのものを変えた。以前の彼なら、ミショーを見てもこんな感情は起こらなかっただろう。シニカルな彼の心の何かが徐々に変わろうとしていた……。

 ギャラントのCICは緊迫した空気に包まれていた。
「ミサイル士官は直ちに配置に付け」
 キナバルの命令が響いた。
「ミサイル士官、配置につきました」
「電子ロック解除を確認」
「発射コード入力スタート」
「慣性航法装置チェック開始」
「バランサーの作動を確認」
「ミサイルハッチオープン」
 チェックの声が響いていた。キナバルは厳しい顔でモニターに映る220を睨んでいた。
 220には敵対的異星人がいる……国家安全保障会議はそう結論した。「ギャラントに搭載されている核弾頭の発射準備を整えろ」キナバルは大統領からそう命じられたのだ。
 ギャラントに搭載されているMk-47は、20メガトンの核弾頭を10発装備したMIRV───多弾頭各個目標再突入体だった。誘導方式はいかなる妨害も通用しない慣性誘導。投射重量は4万7000ポンド。昔ながらの言い方で呼べば、これはもっとも進んだ核ミサイルだった。搭載された10発の核弾頭を複数目標に誘導して攻撃する高性能核ミサイル。
 そのMk-47をギャラントは50発装備していた。仮にそれを全て220に発射すれば、破壊力は20×10×50で1万メガトン、つまり10ギガトンになる。220程度の小型惑星を吹き飛ばすのに充分な威力だ。更に、ミサイルの照準を220の採掘タワー深部に定めた場合、220深部に存在するイプシロンワンが連鎖反応を起こし、惑星は完全に消滅する。
 キナバルは、発射命令が下りない事を祈った。心から祈った。
「大佐?」
 キナバルは振り向いた。コックスが立っていた。
「作戦を中止して下さい。もう無駄です」
 コックスの顔色は蒼白だった。今までにない表情を彼は浮かべていた。

 ミショーは唖然として周囲の地形を眺めていた。
 それは今までに見たこともないような異様な地形だった。直径30センチはある透明な卵状のものが、妖しく輝いていた。それは、天井一面を不気味に覆っていた。まるでカエルの卵だった。しかも、碧く輝いている……こんな不気味なものを、ミショーは今まで見たことがなかった。
「ここは……?」
「生存者コール探知。ガイデット・スタート」
 アリスは勝手にストレガを生存者のいるポイントに誘導し始めた。別段ミショーは驚かなかった。出撃前のミッションプログラムでそうなるようにしておいたのだから……。
 だが、次の瞬間、ミショーは氷のように凝結した。フラッシュ・コールと共にギャラントからの通信が入ったからだ。
「……こちらギャラント……全機……脱出しろ……繰り返す……脱出を……」
 ミショーは慌ててカフをあげた。
「ギャラント、こちらミショー。応答して下さい」
 ノイズの中から微かにキナバルが聞こえた。
「……大尉……生命反応をロスト……」
 プチッという音と共に送信が切れた。ハッとするミショーにアリスのコールが響く。
「ギャラント、通信途絶」
 ミショーは怒鳴った。
「交信確保!」
「交信不能」
「そんな……」
 愕然とするミショーにディースリーが割り込んできた。
「大尉、大佐は生命反応ロストと……」
 狙い澄ましたように電子音が響いた。
「コーション。生存者コール継続中」
「なに?」
「生存者コール継続確認」
「ディースリー、生存者を救助したら、ただちにここを脱出する」
「ラジャー」
「アリス、マップオープン」
 返事の電子音の代わりに、拒否を意味する不快な電子音が響いた。ミショーは顔をしかめた。どういうことだ?
「アリス、自己診断プログラムをロード、システムチェック」
「こっちもだ、アリス」
 一瞬の間を置いて、アリスがコールした。
「ロード不能、チェックネガティヴ」
「なに?」
 愕然としたミショーは、思わず怒鳴った。
「強制コマンド! 全システムチェック!」
「ネガティブ」
「大尉、アリスをカットしますか? ブレイクダウンの恐れが……」
 アリスのコールはその時だった。
「ワーニング。ターゲット・コンタクト」
「え?」
「ターゲット・コンタクト……ターゲット・コンタクト……」
 ミショーはディスプレイをチェックした。ターゲットなどない。どこにもない。
「アリス、ターゲットは何?」
「ターゲット・コンタクト」

 

==NOVEL PHILOSOMA==


2010/05/05 19:32 | Comments(0) | TrackBack() | ゲーム
==NOVEL PHILOSOMA== 12

==SCENE 09==

 ミショーたちは採掘エリアを飛んでいた。それはまったく、驚くべき広さを持っていた。高さは3000フィート、幅は2万フィートはゆうにある。眼下にはさまざまな採掘機械が無人のまま放置されていた。こんな大規模な採掘を、ミショーは見たことがなかった。何を掘っているかしらないが、常軌を逸している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 アリスのコールが入った。
「フラッシュ・ボギーデダヘッド」
 ラングは思った。いよいよ来たか……カレンの分まで思い知らせてやる……。ラングはコールした。
「アリス、敵の種類は?」
「ストレガ」
 その瞬間の反応は、ラングもミショーも同じだった。ディースリーもだ。彼等は一斉に叫んだ。
「何い!」
「ストレガだと?」
「先発隊よ、きっと!」
 先発隊……恐るべき可能性が浮かんだ。
「まさか、反乱か?」
「敵、ストレガ変異体」
「馬鹿な?」
「乗員死亡。攻撃態勢」
 ミショーはレディオ・セレクターを素早く切り替えた。
「大佐、応答して下さい!ストレガが……」
 凄まじい無線ノイズが響いた。慌ててミショーは無線をカットした。
「ギャラント、交信不能、交信不能」
 なんということだ……敵はストレガ。ギャラントとの通信は不能。最悪だ。さらに警報音が鳴った。敵が……向こうのストレガが火器管制レーダーを作動させたのだ。ミショーは腹を決めた。アルファは、反乱を起こしたか、それともテロリストにストレガを奪われたのだ。ミショーは怒鳴った。
「こうなったらやるしかないわ、ラング!」
「ラジャー。アタック!」
 前方に微かな輝点が浮かぶ。ストレガのヘッド・アップ・ディスプレイが、ターゲットを捉えたのだ。
 ミショーはレーダーをスーパー・サーチ・モードからボアサイト・モードへと切り替えた。レーダービームの中に飛び込んだ敵機がロックされた。照準レティクルの距離表示緑環が、見る間に小さくなる。ヘッドオン、正面からの攻撃だ。相対速度はマッハを越えていた。レティクルの中に、ターゲット───
 ストレガがはっきり見えた。
 しかし、その姿は───
 ミショーは愕然とした。自分の眼が信じられなかった。敵ストレガは急速に接近してきた……ああ、なんてこと……馬鹿な……こんな馬鹿な……。
 敵ストレガは、茶色の粘液に覆われていた。各所に飛び出た突起物は爪か触覚に見えた。
 その外観は……。
 間違いだ。何かの間違いだ!
 ストレガは生物だった。
 原生生物の衣をまとい、それは400ノットのスピードで一直線に接近していた。

「クラークとは、人工知能のために開発された疑似生命プログラムです」
 ギャラントのCICでは、サブ・スクリーンを使ってコックスが説明していた。
 彼はやつれた顔をキナバルに向けた。わずか30分あまりで、彼は5年は歳を取ったような顔になった。それだけ精神的なショックが大きかったのだ。
 サブ・スクリーンには、クラークのフォトが映し出されていた。
 コックスは、解読したファイルの内容をキナバルに説明した。
 7年前、科学探査船「S・ホーキング」は、95名の乗員を乗せて調査に出発した。だが、人間ではない乗員がもう一人いた。
 それが「クラーク」だ。
 昔から連綿としてコンピューター学会で研究されていたのは、「コンピューターはどこまで人間に近づくことができるか?」という点だった。今までのコンピューターは、専門家システムとしての推論機能は持っていたが、決してそれ以上のものではなかった。
「クラークは、『生命の概念』を中心に構成されたプログラムです。生命の基礎概念は、何ですか、大佐?』
 キナバルは少し考えて答えた。
「増殖……それに……」
「ええ……『進化』です。しかし、これに人間的な要素を加えたら……? 人間が人間として根源的に持っているものは?」
「感情か?」
「人格と言い換えてもいいでしょう。クラークは、限りなく人間に近いプログラムとして誕生しました。人間との違いは、肉体がない事と死なない事くらいのものです」
 キナバルは当惑していた。コンピュータに感情があるか、という問題は大昔から議論されていたが、検証の方法はないからだ。
「まさか……チューリング・テストのアドバンスじゃないのか?」
 チューリング・テストとは、1954年に死去したイギリスの若き天才数学者、アラン・チューリングが発案したものである。それは、コンピュータに知性があるかどうかを判別するテストだった。ルールは簡単だ。人間とコンピュータを対話させ、人間とまったく区別がつかない場合は、コンピューターは思考(知性)を持つというものである。
 だが、このテストは不完全なルールに基づいていた。対話は、人間とコンピューターの応答の違いを区別する客観的基準になり得なかったのだ。その代表例が「オウム返し」プログラムだ。これは、人間の質問に対して、コンピューターがあるパターンと質問の語尾変化で応答する、ごく単純なプログラムだ。そこには知性などあり得ないはずだった。
 だが、驚くべき事に、大半の人間はこのプログラムに引っかかった。彼等は、コンピュータが感情を持ったものだと錯覚し、テストの合格を宣言した。だが、彼等はやがて真相を知り……以来、チューリング・テストは、より慎重な形で行われるようになった。
 とは言っても、ルールの不明瞭さは相変わらずだった。そのため、抜け道をくぐり抜けるエセAIプログラムは後を絶たなかった。キナバルはその点を言っているのだ。
 コックスは首を振った。
「いえ……クラークは本物でした。電脳ネットの中で成長したクラークは、やがて著作を始めたんです」
 それは科学から哲学まで幅広いものだった。その斬新なアプローチは各方面で大きな反響を呼んだ。特に哲学の分野では顕著で、彼の著作「コズミック・シード」は、アウレリウス哲学の復興として高い評価を得た。
 コックスは続けた。
「クラークを開発したUASAは、彼の公開をためらいました。代わりに彼等が取った方法は、クラークという人間をでっち上げ、著作物として発表することでした」
「ああ……写真や映像を偽造した訳だ」
「一世紀前のCG映像でも、本物と見分けのつかないフォトは作れましたからね」
「しかし、なぜ連中は公開をためらったんだ?」
 コックスはメイン・スクリーンを指さした。そこには220が映っていた。キナバルの顔が思わず引きつった。
「まさか少佐……?」
「そうです。彼等はクラークにイプシロンワンを研究させ、反物質爆弾の開発を進めていたんです」
「なんてことを……」
「著作の発表は、いわば口止め料です。クラークは……その……著作の発表を条件に爆弾造りを引き受けたんです」
 キナバルは絶句した。待て、じゃあ220には反物質爆弾が……それがテロリストに奪われたというのか? キナバルの声が震えた。
「じゃあ、テロリストは反物質爆弾を……」
 コックスは首を振った。
「いえ、あそこにいるのは、テロリストじゃありません」
 スクリーンが切り替わった。
 そこに映ったのは、ミショーが見た生物ストレガだった。画面の隅に名称があった。
 それはPHAGE STREGAと記されていた。

 ラングもカレンも、そしてディースリーも、発狂の一歩手前で戦っていた。敵のストレガは生物だった。彼等の意識は乱れた。ただ、パイロットとしての本能だけが彼等を戦わせていた。
 不意に、戦いは終わった。
 ファージ・ストレガは全機が撃墜され、地面にその残骸を晒していた。
 ミショーは呆然とそれを見つめていた。間違いない……確かに生物だ……。
 彼等はグランド・モードでファージ・ストレガを観察した。やがて、ミショーは言った。
「テロリストですって?」
「しかし、なぜストレガが……?」
 ラングの疑問は、ファージ・ストレガそのものに向けられていた。先刻のマッスルはまだ判る。敵があらかじめマッスルを改造していたとしたら……だが、突入して1時間も経っていないアルファフライトのストレガをどうやって……?
 ディースリーがポツリと言った。
「金属分子と分子結合しているんですよ」
「…………」
 ラングもミショーも、否定する気にはなれなかった。現物がここにあるのだ。
「大尉、今まで登録されている地球外生物はいくつです?」
「ああ……うん、確か、二つだ」
「地球外生物スリーとして登録を申請します」
「判った」
 ラングはディースリーのクールな態度に一驚した。だが、これが最も的確な対応であることに気づいた。パニックは、何の解決にもならない。ここは、訓練通りにやるしかない……ミショーも同じ思いなのか、冷静なコールを返してきた。
「全機、このままエマーコールポイントへ。住民を確保、ギャラントからの救出を待つ」
「ラジャー」
 3機のストレガは、編隊を組み、再びエマーコールを求めて飛び始めた。

 ミショーたちのフライトを、クラークは知覚していた。
 彼は電磁気だった。あらゆる生命現象は、極言すれば核力と引力と電磁力の所産と言えた。クラークは、「思考」というパートだけを拡大させた存在だった。
 計画は全て順調に進んでいた。220の防衛システムを狂わせるのは、楽しい知的ゲームだった。3Dホログラムを造り、磁気フィールドと熱を与えて人間そっくりの質感を加える事は、彼にとっては造作なかった。ギャラントのコンピューターにアクセスし、本物の証明をホログラムに与えるのは実に簡単だった。ギャラントの戦術コンピューターに作戦を立てさせるのは、児戯だった。人間はそれにまんまと引っかかり……ここは反省すべき点がある。コックスが撤退を進言したら、キナバルは受け入れただろう。そうなったら全ては終わりだった。コックスへの感謝の置き土産は残しておいた。ファイルを見て、さぞかし彼は驚いただろうな。
 とにかく、ここまでたどり着いたのは3機だ……3機か……2機で充分だ。数を減らそう……失敗は許されない。
 クラークはどうやるか、考えた。
 自らアクセスするのがもっとも確実だが……よそう。彼等にも生き延びる機会を与えるべきだ。それが、人間の手によって誕生した電脳ネット生命体の心意気というヤツだ。


==NOVEL PHILOSOMA==



2010/04/29 00:24 | Comments(0) | TrackBack() | ゲーム
==NOVEL PHILOSOMA== 11

==SCENE 08==

 ミショーたちの編隊は、エレベーターをクリアし、コミューターラインへ続く狭いトンネルを飛行していた。その狭さは、想像以上だった。トンネルの幅は90フィートもなく、高さは……ラングはうめきかけた。なんてこった……50フィートもない……こんなところを戦闘機で飛ぶなんて……。
 一方、カレンはようやく活力を取り戻していた。それは、目前で展開されるスリリングな光景に刺激されてのことだ。こんなフライトは初めてだった。複雑にうねるパイプが目の前を流れ去り、そして……ジェットコースターなど比較にならぬスリルだ。アリスはあれから快調だった。カレンは何の不安もなく、スリリングな光景を楽しんでいた。
 カレンにとっての不幸は、問題がスリルの枠を超え、己の生命の問題になってしまったことだった。
 不意に、パネルにワーニング・ランプが点滅した。カレンは愕然とした。続いてアリスのコールが流れた。
「コーション、フライトコントロールシステム……」
 突如、異常な音とともにアリスの声がゆがんだ。中世的なボイスから、歪んだ男の声になった。ピッチはまったく安定せず……いや、問題は警告の内容だ。それは……。
「……アクセス……ハック……ゲノム……アクセス……ハック……ゲノム……」
「アリス!アリス!」
 カレンはパニックに陥っていた。目の前の事実がどうしても信じられなかった。ストレガ一機につきアリスは七台搭載されている……故障の確率は……馬鹿な、こんな馬鹿な!
 異常音と共にアリスの音声が停止した。
 ラングは絶叫した。
「カレン!」
 もはや、なにが起きているかは明白だった。カレンのアリスはダウンした。システムダウンだ。打つ手は一つだ。
「カレン。早くしろ、カレン!」
「カレン、手動に切り替えて!早く!」
 ミショーは怒鳴った。目の前のヘッド・アップ・ディスプレイにDANGERの文字が点滅した。急旋回のマーカーが輝き……ああ、カレン、何とか切り抜けて!
 左に90度折れている通路を、ストレガは、ミショー、ラング、ディースリーの順で通過した。そしてカレンは……。
 マニュアルへの切り替えは辛くも間に合った。カレンはスティックを握るとそれを左に倒し、ラダーペダルを蹴り、さらにベクター・ノズルを作動させた。
 カレンのストレガは辛くも旋回した。だが、彼女は旋回の持つ慣性まで計算に入れた操作が出来なかった。カレンのストレガは次の通路で大きく左に膨らんだ。彼女はそれをくい止めようと必死にラダーを……ラダーペダルを蹴った。
 カレンは減速すべきだった。減速してグランド・モードを立ち上げ、停止するべきだった。彼女はストレガの優れた旋回性能に頼りすぎ、完全に冷静さを失っていた。
「ブレイクだ、カレン!」
 ラングは絶叫した。ディスプレイに映るカレンのストレガは左に寄っていた……ああ!ダメだ、それではダメだ、カレン!
 壁に設置されたパイプの群れが、カレンの視野に急速に飛び込んできた。もはや、激突は避けられなかった。ベイルアウトは……? 不可能だ。射出座席は天井に激突し、私は首の骨を折り……。
 カレンは自分の思考に愕然とした。自分に迫っている死が信じられなかった。こんなはずではない……ここで終わるなんて……自分にはまだ人生がある。こんなはずではない!ラング、ラング、私を助けて、ラング!
 ラングは覚えていないだろう……彼女がラングと初めて会ったのは、コロニーで開かれていた航空祭だったラングはアクロバットのソロを務めており……カレンは一目惚れした。叔父であるキナバルに頼み、名前と所属を調べてもらい、挙げ句の果てに彼女はイギリスの名門校を退学してUNFに入り……当時の彼女を知る者は、誰もが彼女が発狂したと思った……パイロットへの道を選んだ。
 彼女がギャラントに配属されたのは、キナバルが動いたからだった。実の娘のようにかわいがっていた姪の懇願をキナバルは断ることが出来ず……デルタに配属された。
 カレンはこの作戦が終わったら、ラングに結婚を申し込むつもりだった……パイプが迫ってくる。パイプ、パイプ、パイプだ。カレンの視野に最後に飛び込んできたのは、廃液処理のためのパイプだった。それは秒速84キロメートル/セコンドでカレンに接近し……いや、逆だ。彼女の方がパイプに向けて突進しているのだ。
 回避の方法はどこにもなかった。カレンが最後に見たのは……。
 パイプが彼女の視界いっぱいに広がった。カレンは絶叫した。
「ラング!」
 それからゼロコンマ1秒後、カレンのストレガは壁に激突し、炎上した。バラバラになった部品が、かつてストレガと呼ばれていた金属の破片が、そしてカレンと呼ばれていた身体の一部が周囲に撒き散らされ……全て燃えてしまった。搭載されていた燃料と弾薬が即席の溶鉱炉となり───廊下の構造はその手の燃焼にはぴったりの構造だった───それらを全て焼き払ってしまった。
「カレン!」
 ラングは絶叫した。彼に出来るのはそれだけだった。
 ラングの悲痛な叫びが、カレンのレクイエムだった。
 カレン・レイノックスはこうして死んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 コックスは信じられない光景を目撃していた。
 目の前にいる男───クラークと名乗った男の肉体が、急速に色を失っている。それはまるで……そう、映画で見るゴーストそのものだった。
「おまえは……?」
「言ったはずだ。私はクラークだと」
 不意に士官が悲鳴を上げた。目の前の光景は理解不能だった。彼は夢中でクラークに向けて拳銃を突きだし、引き金を絞った。
 銃声が反響した。弾はクラークを突き抜け、コンソールに命中した。
「無駄なことだ……」
 クラークの身体はほとんど消滅していた。
 彼はコックスを見て言った。
「私の力になった礼だ。ドライブCのディレクトリ、243542を見たまえ。全ての真実は、そこにある……」
 士官は拳銃を取り落とした。
 クラークの姿が消えていた……完全に消滅したのだ。
 一同は呆然と周りを見渡した。
「これは……現実なのか?」
 キナバルが茫然とした表情で呟いた。
 コックスも同じ思いだった……だが、その前に確かめるべき事がある。
 ディレクトリ243542だ……。幻覚でないのなら、そこに何かが眠っているはずだ。この事件の真相ともいうべき何かが……。
 コックスはキーボードを叩き始めた。
 キナバルはボイドに尋ねた。
「デルタとの通信は?」
 ボイドはただ首を振るだけだった……交信不能だ。キナバルは、悪い夢なら醒めてくれと、心から願った……。
 悪夢は醒めそうになかった。

 ドリルの回転する轟音が響いていた。
 それはパン挽き用の石臼のような音だった……直径200フィートはある巨大なドリルは、麦の代わりに岩石を砕いていた。
 採掘トンネルの縦穴だった。穴と言っても直径は300フィートはあるだろうか……。
 ミショーたちのストレガは、そこでホバリングしていた。
 しばし、彼等は沈黙した。
 やがて、ミショーのストレガに微かな声が聞こえた。ラングだった。
「カレン……」
 アリスがコールした。
「墜落原因、不明」
 再び沈黙が降りた。
 ミショーは耐えられなくなった。自分の責任ではない……だが、身近に死を見るのは、もうたくさんだった……カレン……決して好きになれる存在ではなかった……だが、それと彼女の死は別だ。
 ミショーは前方をホバリングしているストレガを見た……あそこに、カレンが愛した男がいる……思わずミショーはカフを上げていた。
「ラング、カレンはあなたを……」
 ラングは愕然とした。なんてことだ? ミショーは知っていた……俺とカレンの関係を……ああ……それなのに俺は……。
 ラングは己を嫌悪した。隠し通せたと思った事……そして、トンネルでカレンに抱いた感情の全てを……そうだ……俺には、俺にはやはりカレンが必要だったのだ……。
 ラングは、想いを凝縮して答えた。
「言うな、ミショー」
「でも……」
「任務続行だ」
「………」
 ミショーは沈黙した。ラングの口調は淡々としていた。彼は泣くことはないだろう……事実を受け入れ……そして、淡々と任務を遂行する。それがアイザック・ラングだ。無頼漢を気取っていても彼はそういう男だ……。
 ミショーは何も言えなくなった。
「行くぞ」
 三機のストレガは、ラングを先頭にホバリング・モードから素早くチェンジし、垂直降下を開始した。
 ディースリーは、さすがに呆然としていた。シニカルな彼にとっても、カレンの死は衝撃だった……そして、ラングとミショーが瞬時に互いを理解し合っている点にも……。
 彼は微かにため息を漏らした。それは、人生の先輩としてのラングとミショーへの、敬意の表れだった。
 リターン・キーを押したコックスはディスプレイを見た。
 243542
 クラークが言ったディレクトリは実在した。やはりさっきの光景は、幻覚ではなかった……。コックスはキーを叩き、ディレクトリを開いた。画像ファイルを初めとするかなり大きいファイルが並んでいる。コックスはまず最初のファイルをロードした。何が出てくるか、彼は息を呑んだ。
 
 

==NOVEL PHILOSOMA==


2010/04/21 21:38 | Comments(0) | TrackBack() | ゲーム

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