☆☆☆☆☆
戦記もののフィクションはありふれていますが、本作は第二次世界大戦における本物のエースパイロットである坂井三郎氏による自伝です。
初めて教習を受けたときの覚束ない状態や初陣の失敗といった経験から、日本を代表するエースへと成長していく様が比較的冷静かつ情熱的に描かれています。
微妙に自慢話みたいな描写が多いのが気になりますが、まあそもそも経歴を語ること自体が自慢話な人だから仕方ないと言えば仕方ない。
この手の著作では必ずと言っていいほど書かれているはずの軍部や天皇についての言及が殆ど無いのが奇異に感じました。
逆に、むしろそんなことはどうでもいい、俺は戦闘機乗りなんだ、それが全てだ、という清々しさがあります。
☆☆☆☆
原作の大事なところを端折ったり殺したりしてしまって台無しになってしまうコミカライズが多い中、比較的良くできています。
原作のモノローグ部分とかビジュアル化は難しいと思ったんだが、そこらへんもうまくできています。
絵柄がちょっと少女漫画過ぎて微妙に肌に合わないのですが、それ以外は文句なし。
☆☆☆
こっちを先に買ってしまったわけですが、実はソーダ屋のソーダさんのスターシステムでした。
内容的には関係ないので問題無いと言えば無いのですが、なんとなく知らない人のライブにうっかり紛れ込んでしまった一般人のような感覚に陥った。
☆☆☆☆
というわけで元ネタも購入。
何故か死んでしまったけど生きているソーダさんとその周囲を描いた4コママンガ。
4コマのくせにストーリーも構想もしっかり練られていてびっくりですよ。
終盤は一見超展開だけど、そもそも最初から死んでる時点で何でもありだしな。
それにしてもあんな本気の全力で抵抗するなんてさすがにかわいそうです><
☆☆☆☆☆
綺麗な作品です。
世紀末チンピラのような奴とか厚顔無恥な奴とか自分以外はどうでもいいと思っているだけでなく実行にまで移してしまう奴とかとか色々出てくるわけだけれども、そんな連中がどれだけ闊歩していたとしても、席捲していたとしても、それでも本作は綺麗な作品です。
しかし前半は塩害により滅び行く街を懸命に生きる人や投げやりに生きる人を描いているのに中盤以降ジャンルが変わりすぎ。
あとアメリカ様やその他のアレな国家が半年も手を出してないわけがないので後半は荒唐無稽といえばあり得ない展開なわけではありますが、そういう細かいことは気にしない方向で。
あとグリーングリーンに4番以降があることを初めて知った。
☆
・・・あー、もういいや。
5巻あたりから「あんまり面白くないなあ」と思っていたのですが、今巻については明白に「つまらない」と感じました。
どこがどういう理由でそう感じたか、とかはよくわからないのですがなんだろう。
根岸が心底クズ野郎に成り果てたせいですかね。
☆☆☆☆☆
一見何の関係もないひとつひとつのエピソードが徐々に交錯し、最終的にひとつの大きな作品が完成する、というとても著者に負担のかかる形式のノベルを平然と使いこなす天才作家、成田良悟。
何者だよこいつ。
1931は特に疾走感たっぷりで、複雑な構成にも関わらず平易な文体で情景も時系列も頭にすんなり入ってきます。
しかし今回早々と作中最強キャラが登場してしまいます。
あまりに人外過ぎてどうにもならんだろ、こいつ。
あと問題点としては悪人が少なすぎる。
マフィアなんて普通悪人の巣窟だろ。
カモッラ?一般人にはそんな区別付きませんから。