レンタルマギカ 魔法使い、貸します! 三田 誠
☆☆
あーもーその秘められた力がなんちゃら系はもういいです。
いや、もっときちんと話が描かれていればいいのですが、それまでほとんど何の描写もなかったくせに脈絡なくいきなり最強とか言われても読者置いてきぼりなわけで、なんかもう勝手にやってください。
長く続いたシリーズみたいですし、今後そういうところが明らかになっていくのかもしれませんが、既にもう続きを読む気力がありません。
どうせ最強やるんだったら11eyesくらいに溜めてからにしてください。
いやあ11eyesは実に良いゲームでした。
かなえルート以外は素晴らしい仕事をしたよ、うん。
そして最後に最大の問題点を指摘しておこう。
レンタルしてねえ
子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき 玩具堂
子ひつじは迷わない 回るひつじが2ひき
☆☆☆☆
安楽椅子探偵もの、探偵はひねくれた少女、とくればもうテンプレ極まりない作品です。
が、本作の場合持ち込み先が生徒会のお悩み相談室ということもあり、よくある他の探偵もののように殺伐とはしていません。
謎そのものは正直たいしたことがなく、鋭い推理とかそういうのはあまりありません。
というか探偵役より頭の良い人物が普通に出てくる時点で、完全なミステリとしての方向性は放棄されています。
ですがそこらへんのゆるいところが、持ち込まれる相談とちょうど相場が合っている感じです。
恋愛相談にじっちゃんの名を賭けられても困るってものですよ。
相談への応え方も少し変わっており、ホームズ役は論理的に回答そのものを答え、そしてワトソン役がそれを相談相手に対して適切な(とワトソン役が思っている)形で応えるという二段構えになっています。
これによりホームズ役が単純にワトソン役に道を指し示すだけではなく、二人が共に相手に影響を与えていくという物語の深みが出てきます。
まあ深みってほど深い話でもないですが。
あとホームズ役が二人に分かれただけという可能性もないでもないです。
この手の作品には珍しく、探偵側の心理描写が入っているのが面白いところです。
ただ、主人公側のキャラクターが皆起伏が少ないせいで淡々と進んでしまうイメージがあります。
このあたりはもう少しやりようがあったのではないかと思います。
なお全く期待せずに、スニーカー大賞を取ったということも知らずに読み始めたからこの評価です。
大賞だったからという理由で読んだら「まあ悪くはないけど、大賞なのにこの程度?」と思ってしまっていただろうことは間違いなかったところ。
暗号少女が解読できない 新保 静波
☆☆☆
こちらはかわってドタバタハーレムラブコメもののミステリ…というかパズルもの。
縦読みとかそういった折句、文字遊びが中心で、謎は全部解けた!みたいな推理は全くありません。
またパズルそのものも、解けなくても見れば何となくわかる程度です。
なのでミステリとしてではなく、パズルをだしにしたラブコメとして読むといいでしょう。
ラブコメとしてはほどよくまとまっていて、微妙な甘さをそれなりに味わうことができます。
記憶力が無駄にいい設定が最初以外あまり生かされていないのは気になるところです。
ただ、こちらもスーパーダッシュ小説新人賞大賞として読んでいたら「この程度」で終わっていたと思います。
彼女たちのメシがマズい100の理由 高野 文具
☆☆
他の二人はともかく、ヒロインには言ってやれよ。
「レシピ通りに作れ」と。
それだけで大半の問題は解決するはず。
つうか味覚障害は病院に連れて行け。
あと最後の終わり方が最悪でした。
こいつはあれだ、うん、積極的につまらない。
やはり不味い飯の表現では食前絶後に敵うタイトルはないな。
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